海洋散骨葬を自分で行う場合の手続きと費用について解説します。
実は海洋散骨葬には手続きはいりませんし、個人も自由に行うことができます。
ただ一つ遺骨のパウダー化は業者に依頼する必要があります。
父を海洋散骨葬で見送った体験者が、散骨葬の具体的な内容と手順についてお知らせします。
海洋葬は自分でもできる
散骨は、法律で規定が決められてはおらず、自分で自由に行えるものだそうです。
海洋散骨は合法で違法性はない
現在、海への散骨は法律で禁止されてはいません。
また、どのようにしなければならないというきまりや規制もないので、基本的に個人で自由に行えます。
散骨は役所に届け出や手続きもいらない
そもそも、規制する法律がないため、行政機関、たとえば市役所などに「散骨」の届出や許可をもらわなくてはならない特別な手続きなどは、一切不要だということです。
ごく普通の埋葬の手続きだけで、追加でやらなければならないことなどはありません。
散骨する前に遺骨のパウダー化は必須
自由な海洋散骨ですが、ただ一つ条件は、遺骨をパウダー化しなければいけないということです。
遺骨ですから、大きな塊のまま海にまくわけにはいきませんね。
パウダー化だけを業者に依頼すれば、基本的に自分の好きな所に埋葬することができるようです。
最近では、散骨は年々簡易化される埋葬希望の需要に沿って、安価で２万円台で行うところも増えてきました。
どのみち、パウダー化というのは自分ではできませんので、妨げの入る恐れのないきちんとした場所を探してもらい、業者を入れて散骨を行うことが望ましいと思われます。
もちろん、海洋散骨葬を行う業者の場合は、そのまま散骨を依頼することもできます。
散骨をするのに望ましい場所はある
例えば海に散骨する場合、 人のたくさんいる海水浴場や、漁港や漁業の関連区域など、他人の家に近いところ、観光地などは、常識的に考えて避けるべきでしょう。
たとえば海で散骨したい場合は、人からも見える岸辺で、僧侶に来てもらってお経を読んで散骨をしてもらうとしたら法律では禁止されていなくても、人目に付きすぎる場所では、落ち着いてできないでしょう。
自分で船を持っているとか、散骨ができそうな場所に詳しいとか、人家のいないところにも行けるという人は自分で行っても差し支えありません。
しかし、散骨を目撃するのに慣れている人ばかりではないので、場所についてはその辺りをよく知っている業者に依頼するのが、いちばん安心な良い方法と思われます。
散骨を依頼する時の注意
散骨や遺骨のパウダー化を依頼する際にはあらかじめ注意をしておいた方がいいことがあります。
分骨について
何より大事なのは、分骨をする場合です。
あとから分骨するとなりますと、要らない手間と費用が掛かります。
もし散骨にしたいという場合は、できるだけ最初からそのつもりで、火葬を終えた後にその場で分骨をするようお願いをして、さらに分骨証明書を受け取ります。
もし、あとから分骨をするという場合には、自分で自宅で行ったとしても、全く問題はないそうです。法律的にはもちろん、宗教的にもです。
遺骨はゆうパックで送付可能
郵送に関しては骨壺だと破損が心配なのですが、今のところはそれに入れて送るようになるようです。
その場合は箱と陶器の間に詰め物などをして、陶器が破損しないように梱包します。
遺骨の郵送はその頃は宅急便でも送れましたが、以前なら取り扱いがゆうパックのみでした。
なので、確認の上で送付してください。
散骨葬のメリット
海に散骨するということが、ご本人と遺される方のご希望に合えば、散骨は遺族にとって埋葬も費用がかさむことない方法です。
何より、その後のお墓の管理や費用が発生するということがありません。
お墓や葬儀は費用がかかる
今のお墓は、場所によってはとにかく費用がかかり過ぎます。
夫の実家の場合はこれまで1千万円近くかけてお墓を準備していましたが、結局その墓には入らずに永代供養墓をまた数百万円かけて買い直しました。
それまで分を捨ててしまっても、今後の管理費やお寺のお布施などの負担を減らそうというのが夫と兄の考え方でした。
ただし、永代供養墓であってもお墓がある以上はその後の世代にとってもずっと負担が続くことになってしまいます。
このようなことを避けるには海洋散骨はもっともよい方法だと思います。
もちろんお参りや供養は自分の任意で行えます。宗派へのとらわれもありません。
散骨でも樹木葬は50万円前後
なお、同様の方法で都市部から離れた山林や樹木の周りなどに埋葬するという樹木葬という方法もあります。
こちらは、費用は50万円前後と割高になるようで、同じ散骨でもやはり土地管理が入る方法だと費用が掛かるようです。
最近ではけっして費用のためばかりではなくやはりお墓の今後を考えて、海洋葬を選択する人も増えていると聞きます。
海洋散骨の場合は、合同の船の他、親類だけで行う個人葬他のいろいろなプランがありますので、皆様の希望に合うものを選ぶこともできそうです。